「英語を勉強しているのに、仕事になると英語が出てこない……」
そんな経験はないでしょうか。
TOEICの勉強をして、単語も覚えた。英文も以前より読めるようになった。英語を聞くことにも慣れてきた。
それなのに、いざ仕事で英語を使う場面になると、
「言いたいことが英語にならない」
「会議で急に質問されると答えられない」
「メールを書くのに時間がかかる」
という状態になる。
実は、これは珍しいことではありません。
私自身、TOEIC300点台から勉強を始め、最終的に850点を取得しました。
それなりに英語力が身についたと思っていましたが、実際に仕事で英語を使うようになると、別の難しさを感じるようになりました。
特に強く感じたのが、
「英語を知っていること」と「英語を使えること」は別物
ということです。
この記事では、TOEIC850点を取得し、外資系コンサルティングファームで働いてきた私が、なぜ英語を勉強しているのに仕事で英語が出てこないのか、そして「使える英語」に近づくためには何をすればいいのかを、自分の経験をもとに解説します。
英語を勉強しているのに仕事で英語が出てこないのはなぜ?
まず結論から言うと、
「英語の知識」と「英語を瞬時に使う能力」は別の能力だからです。
例えば、TOEICの勉強では、
- 英単語の意味を覚える
- 文法を理解する
- 英文を読む
- 英語を聞き取る
- 長文の内容を理解する
といった能力を鍛えます。
これらは、英語を使うための重要な基礎です。
実際、私自身もTOEICの点数が上がるにつれて、英語に対する抵抗感はかなり減りました。
英語のメールを読むことも以前ほど苦痛ではなくなりましたし、英語の会議資料を読むスピードも上がりました。
しかし、仕事で求められる英語には、それとは別の能力があります。
例えば、
「この資料についてどう思いますか?」
と突然聞かれたとします。
英文を読んで理解するだけなら、それほど難しくありません。
ところが、自分の考えを整理して、英語で文章を組み立て、相手に伝えるとなると、一気に難易度が上がります。
ここに「知っている英語」と「使える英語」の大きな違いがあります。
「知っている英語」と「使える英語」は違う
英語力を大きく分けると、私は次のように考えています。
知っている英語
- 単語の意味が分かる
- 文法が分かる
- 英文を読める
- 英語を聞き取れる
- 英文の意味を理解できる
使える英語
- 自分の考えを英語にできる
- 瞬時に文章を組み立てられる
- 相手の質問にその場で答えられる
- 状況に応じて表現を変えられる
- 相手と会話を続けられる
つまり、
インプット能力とアウトプット能力は別々に鍛える必要があります。
TOEICの勉強をしているのに英語が話せないからといって、「今までの勉強が無駄だった」ということではありません。
むしろ、インプットの基礎ができているからこそ、次の段階としてアウトプットの練習が必要になったと考えるべきでしょう。
TOEIC850点を取得しても、仕事で英語を使うのは難しかった
私自身の経験を紹介します。
私は学生時代、英語が得意だったわけではありません。
TOEICも最初は300点台でした。
そこから社会人になって英語学習を続け、最終的に850点まで伸ばしました。
その過程では、英単語を覚えたり、問題集を解いたり、公式問題集を何度も解いたりしてきました。
その結果、英語に対する抵抗感はかなり減りました。
特に仕事では、
「英語の資料を読む」
という場面で、以前との違いを強く感じます。
以前なら読むだけで疲れていた英文資料も、ある程度スピードを持って読めるようになりました。
英語のメールを読むことにも、それほど抵抗がありません。
ところが、自分で英文メールを書くとなると話は別です。
「この表現でいいのだろうか?」
「もっと自然な言い方はないだろうか?」
などと考えてしまい、どうしても時間がかかります。
英語の会議でも同じです。
事前に議題や自分が話す内容を準備しておけば、ある程度対応できます。
しかし、突然質問された場合には、
「日本語ならすぐ答えられるのに、英語だと言葉が出てこない」
ということが起こります。
TOEIC850点を取っても、ここは簡単には解決しませんでした。
英語を話せない原因は「英語力」だけではない
ここで一つ注意したいのが、
「英語が出てこない=英語力が足りない」
と単純に考えないことです。
仕事で英語を使う場合、実際には複数の能力が同時に求められます。
例えば、
英語力 × 知識 × 思考力 × 瞬発力
です。
例えば会議で、
「このプロジェクトの課題は何だと思いますか?」
と聞かれたとします。
この質問に答えるためには、
- 質問の英語を理解する
- 自分の考えを整理する
- 伝える内容を決める
- 英語に変換する
- 相手に分かるように話す
という処理を短時間で行う必要があります。
つまり、英語だけできても仕事でスムーズに話せるとは限りません。
これはコンサルタントとして仕事をしてきた私が、英語を使うようになって改めて感じたことです。
「日本語なら話せるのに英語だと話せない」の正体
英語学習者によくあるのが、
「日本語なら言いたいことがあるのに、英語になると言えない」
という状態です。
これにはいくつか原因があります。
原因① 頭の中で日本語を英語に翻訳している
例えば、
「現時点では、この方法が最も現実的だと思います」
と言いたいとします。
日本語ではすぐに出てくる。
しかし英語にしようとすると、
「現時点では……えーっと……」
となってしまう。
これは英語を使うことに慣れていないと起こりやすい問題です。
原因② 正しい英語を作ろうとしすぎる
「文法を間違えたら恥ずかしい」
「もっと自然な表現があるかもしれない」
と考えすぎると、言葉が出なくなります。
もちろん正しい英語を学ぶことは大切です。
ただ、会話では、
完璧な英文を作ることより、相手に伝えることの方が重要です。
原因③ 自分の仕事で使う英語を練習していない
これも非常に大きいと思います。
一般的な英会話教材には、
- 趣味
- 旅行
- レストラン
- 買い物
- 日常生活
などの表現が多く登場します。
もちろん役立ちます。
しかし、仕事で英語を使うなら、
- 会議
- プレゼン
- 報告
- 質疑応答
- メール
- 交渉
- 説明
など、自分の仕事で実際に使う英語を練習する必要があります。
セブ留学で「話すこと」の難しさを実感した
TOEIC850点を取得した後、私は1か月間セブ島へ留学しました。
留学前から、
「TOEICの点数が高くても、英語を話す能力は別だろう」
とは思っていました。
実際に留学してみると、その感覚は間違っていませんでした。
英語を聞き取ることについては、知らない単語や日常会話特有のフレーズなどを除けば、ある程度問題なく対応できました。
一方、
「自分の言いたいことを英語で話す」
というアウトプットには難しさを感じました。
頭の中では言いたいことが分かっている。
でも、それを英語にして、相手に伝わる形で瞬時に話す。
これはTOEICの問題を解くのとはまったく違う能力でした。
だからこそ、私は「英語を勉強する」だけではなく、「英語を使う」時間も必要だと感じるようになりました。
仕事で英語を使えるようになるためにやった方がいい5つのこと
では、具体的にどうすればいいのでしょうか。
私自身の経験から、特におすすめしたいのが次の5つです。
① 瞬間英作文で「英語を取り出す」練習をする
英語を話すには、頭の中にある英語を瞬時に取り出す必要があります。
そこで有効なのが瞬間英作文です。
日本語を見て、
「私は明日の会議に参加します」
を、
I will attend tomorrow’s meeting.
のように英語に変換する。
ポイントは、難しい英文を作ることではありません。
簡単な英文を素早く作ることです。
② 自分の仕事で使う英語を練習する
仕事で英語を使うなら、仕事で使う文章を練習するのが一番効率的です。
例えば、
- 「私の理解では〜です」
- 「一点確認させてください」
- 「現時点では〜と考えています」
- 「この点については後ほど確認します」
- 「次のステップとして〜を提案します」
など。
自分が実際によく使う表現を集めておくと、仕事で使いやすくなります。
③ 英語会議を想定してロールプレイする
実際の会議では、
「この質問が来るとは思わなかった」
ということがあります。
だからこそ、事前に想定問答を作って練習しておくのがおすすめです。
例えばChatGPTに、
あなたは海外クライアントです。
私にプロジェクトに関する質問を英語でしてください。
私が英語で回答したら、文法と表現を添削してください。
と依頼します。
これだけでも、かなり実践的な練習ができます。
④ ChatGPTで「自分が言いたいこと」を英語にする
ChatGPTは、英語学習において非常に便利なツールです。
例えば、仕事で言いたいことを日本語で入力して、
「この内容を、海外クライアントとの会議で使える自然な英語にしてください」
と依頼する。
さらに、
「もっと簡単な英語にしてください」
「TOEIC800点程度の英語にしてください」
などと調整することもできます。
重要なのは、単にChatGPTに英文を作ってもらうだけではありません。
「自分ならどう言うか」を考えてから答え合わせとして使うことです。
これなら、アウトプットの練習にもなります。
⑤ 完璧な英語を目指さない
これは私自身も今後意識していきたいことです。
仕事で英語を使う目的は、英語のテストで満点を取ることではありません。
相手と意思疎通することです。
多少文法が間違っていても、
- 結論
- 理由
- 具体例
が伝われば、仕事は進められます。
「完璧な英語を話せるようになってから英語を使おう」と考えていると、いつまで経っても実践に移れません。
TOEICの勉強は仕事の英語に意味がないのか?
ここまで読むと、
「じゃあTOEICの勉強なんて意味がないのでは?」
と思うかもしれません。
私はそうは思いません。
むしろ、TOEICの勉強は英語を使うための土台作りとして非常に役立ちました。
私自身、TOEICの点数が上がったことで、
- 英文を読むスピードが上がった
- 英語への抵抗感が減った
- 英語資料を読むことが苦痛ではなくなった
- 英語学習を継続できる自信がついた
という変化を感じています。
ただし、
TOEICの点数を上げることと、仕事で英語を使うことは別のゴールです。
TOEICで基礎力を身につけたら、次は実際に英語を使う練習へ進む。
私はこの順番が大切だと考えています。
「英語が話せない」と感じたら、まず何ができないのか考える
英語ができないと思ったときに、
「もっと英語を勉強しなきゃ」
と考えるだけでは、なかなか改善しません。
まず、
何ができないのか
を分解してみてください。
| 困っていること | 必要な練習 |
|---|---|
| 英文を読むのが遅い | 多読・精読 |
| 英語を聞き取れない | リスニング・シャドーイング |
| 単語が出てこない | 語彙・瞬間英作文 |
| 英文を作れない | 英作文 |
| 会話で言葉が出ない | 英会話・ロールプレイ |
| 会議で答えられない | 会議を想定した練習 |
| 英語メールを書くのが遅い | 実務メールの練習・添削 |
「英語力が足りない」という一言で片付けず、自分の弱点を分解する。
これは、私がコンサルタントとして仕事をする中でも大切にしてきた考え方です。
英語学習の次のステップは「勉強」から「使用」へ
私自身、TOEIC300点台から勉強を始め、850点まで取得しました。
振り返ると、TOEICの勉強には大きな意味がありました。
一方で、850点を取ったことで、
「英語を知っている」だけでは「英語を使える」ようにはならない
ということにも気づきました。
その後、セブ留学を経験したり、仕事で英語を使ったり、AIを使って英会話や英作文の練習をしたりする中で、少しずつ「使う英語」の重要性を感じるようになりました。
英語学習には、
①英語を知る
↓
②英語を理解する
↓
③英語を使う
という段階があるのだと思います。
TOEICの勉強をしているのに仕事で英語が出てこないと悩んでいるなら、英語力が足りないと決めつける必要はありません。
もしかすると、あなたはすでに「知っている英語」を十分に持っていて、次に必要なのは**「使う練習」**なのかもしれません。
まとめ|英語を勉強しているのに話せないのは珍しいことではない
英語を勉強しているのに仕事で英語が出てこない。
これは、決して珍しいことではありません。
TOEICなどの学習で身につく、
- 単語
- 文法
- リーディング
- リスニング
と、仕事で必要になる、
- 瞬発的なアウトプット
- 会話
- 質疑応答
- ビジネスメール
- 自分の意見を伝える力
には違いがあるからです。
私自身もTOEIC850点を取得した後に、その違いを強く実感しました。
だからこそ、一定の英語力が身についたら、
「もっと英語を勉強しよう」だけではなく、「実際に英語を使ってみよう」
と考えることをおすすめします。
完璧な英語でなくても構いません。
まずはChatGPTで英会話の練習をしてみる。
英語でメールを書いてみる。
オンライン英会話で話してみる。
海外の人と話してみる。
私自身、TOEIC850点を取った後にセブ留学へ行ったことで、英語を使うことへの抵抗感がさらに小さくなりました。
「知っている英語」を「使える英語」に変える。
これが、TOEICである程度の点数を取った後の、次のステップなのだと思います。
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