MENU

TOEIC 820点なのに、英語会議で一言も話せなかった話

TOEIC 820点を取ったのは、今の会社に転職する少し前のことでした。リスニング430、リーディング390。まわりからは「英語できる人」という扱いになって、正直ちょっといい気になっていました。

その半年後、初めて海外拠点とのオンライン会議に出ることになりました。参加者は6人、全員英語。僕の役割は、自分の担当プロジェクトの進捗を共有すること。事前に原稿も準備しました。

結果から言うと、自己紹介と「進捗の共有」を読み上げたあと、会議が終わるまで一言も話せませんでした。 質問されても “Sorry, could you repeat that?” を2回言って、それでも聞き取れなくて、最後は “I will follow up by email” で逃げました。会議のあと、トイレでしばらく動けませんでした。

「TOEIC 800 話せない」で検索する人は、たぶん今、当時の僕と同じ気持ちなんだと思います。この記事では、なぜこうなるのか、そして半年でどう立て直したかを書きます。

この記事の要点(先に結論)

  • TOEIC L&Rは「英語の素材を処理する力」を測る試験で、「リアルタイムで話す力」は測っていない
  • だから高得点でも会議で固まるのは普通のこと。実力不足ではなく、練習していない領域があるだけ
  • 立て直しの鍵は「反応速度」。内容の質より「2秒以内に話し出す」練習を優先する
  • 毎日はAIで即答練習、週2で人間相手に割り込み練習。半年で「置物」は卒業できる
  • TOEICの語彙・文法の土台は無駄ではない。むしろそれがあるから短期間で立て直せる
目次

なぜスコアと会話力がここまでズレるのか

冷静に振り返ると、TOEICで測っていた能力と、会議で必要だった能力は、ほとんど別物でした。

1. TOEICのリスニングは、きれいな音声を「一人で」聞く。 実際の会議は、インド訛り、スコットランド訛り、電話越しの音割れ、複数人が同時に話す被り。しかも相手はこちらが非ネイティブだと知っていても、容赦なくフルスピードです。

2. TOEICには「自分が発言する」パートがない。 L&Rはすべて選択式。頭の中で正解が分かっても、それを口から出す練習は一度もしていなかった。会議で「どう思う?」と振られた瞬間、日本語なら10秒で言えることが、英語だと文の組み立てから始まるので、沈黙してしまう。

3. TOEICは考える時間がある。 リーディングは自分のペースで読める。会議は待ってくれない。3秒黙ると、誰かが話し始めて、自分のターンは終わります。

つまり、TOEIC 820点は「英語の素材を処理する力」の証明ではあっても、「リアルタイムで殴り合う力」とは別だった。ここを勘違いしていたのが敗因です。

TOEICの点数別「話せなさ」の傾向

まわりの人を見ていて感じた、スコア帯ごとの傾向です。あくまで体感ですが、当てはまる人は多いと思います。

スコア帯 読み書き 会議で起きがちなこと
600前後 メールは辞書があれば書ける 聞き取りで脱落。発言以前に議論を追えない
700〜800 資料はだいたい読める 議論は追える。でも「振られると固まる」。準備した発言しかできない
800〜900 ほぼ困らない 短い発言はできる。ただし反論・割り込み・雑談で止まる
900以上 困らない それでも「とっさの一言」は別練習が要る。訛りと被りには苦戦

共通しているのは、どのスコア帯でも「即興で話す」だけは点数と連動しないことです。ここは専用の練習でしか埋まりません。

「TOEICは無駄だったのか」への答え

結論から言うと、無駄ではありませんでした。むしろ土台として効いています。

  • 語彙と文法の基礎があったから、AIや講師の指摘を「理解」できた。ゼロからだと直しの意味が分からない
  • リーディング力があるので、会議のトランスクリプトを後から読んで復習するのが速い
  • 「聞けば分かる」文が多いので、あとは「音の変化に慣れる」だけで聞き取りが伸びた

足りなかったのは知識ではなく、その知識を制限時間内に口から出す回路でした。だから立て直しは「新しい勉強」ではなく「持っているものを高速で出す訓練」になります。

立て直しでやったこと(半年)

1. 毎日、AI相手に「即答」の練習をする(1日10分)

いちばん足りなかったのが反応速度だったので、そこを集中的に。AI英会話アプリで、「What do you think about ~?」系の質問に、2秒以内に何か言い始めるルールを課しました。内容の質は問わない。とにかく “Well, I think…” “That’s a good question, my view is…” と、沈黙を埋める音を先に出す練習です。

会議で効くのは、実はこの「間の埋め方」でした。完璧な意見より、「今考えてます」というシグナルを英語で出せることのほうが、その場では重要だったりします。

2. 週2回、オンライン英会話で「割り込む」練習をする

AIだと自分のターンが必ず回ってきますが、人間の会議は割り込まないと発言できません。そこで、オンライン英会話の講師に事前にお願いして、「わざと早口で一方的に話すので、途中で割り込んで質問してください」というロールプレイをやってもらいました。

“Sorry to jump in, but…” “Can I add one thing here?” “Just to make sure I understand…” こういうフレーズを、緊張状態で自然に出せるようになるまで反復。これは一人では絶対に練習できない部分でした。割り込みフレーズの詳しい一覧は「英語の会議で「発言できない」を抜け出した、7つの割り込みフレーズ」にまとめています。

3. 会議の英語を録音して、聞き取れなかった箇所を書き起こす

自社の会議は録画が残るので、聞き取れなかった部分を10回くらい巻き戻して、最終的にスクリプトに起こしました。すると、知らない単語で詰まっていたのは実は少なくて、知っている単語が音の変化でつながって聞こえなかったケースがほとんどでした。”Did you get a chance to” が「ディジュゲラチャンストゥ」に聞こえる、みたいなやつです。

4. 発言テンプレを3つだけ用意する

会議で使う型を、最初は丸暗記でいいので3つ持っておく。

  • 意見を言う: “From my side, the main concern is X. I’d suggest we Y.”
  • 質問する: “Could you clarify what you mean by X? I want to make sure we’re aligned.”
  • 保留する: “Let me check on that and get back to you by Thursday.”

この3つがあるだけで、「何も言えない」状態はほぼ抜けられます。

3ヶ月で反応速度を上げる練習メニュー

「即答の練習」と言われてもイメージしにくいと思うので、実際にやっていた3ヶ月の流れを書きます。

1ヶ月目:沈黙を埋める音を出す

  • AI英会話で1日10分。質問されたら2秒以内に “Well,” “So,” “That’s a good question,” から始める
  • 内容はどうでもいい。「詰まっても声を出し続ける」だけを目標にする

2ヶ月目:型に流し込む

  • 上の「発言テンプレ3つ」を毎日1回ずつAI相手に使う
  • オンライン英会話を週2で開始。1回はフリートーク、1回は「進捗報告のロールプレイ」

3ヶ月目:割り込みと反論

  • 講師に一方的に話してもらい、”Sorry to jump in” で割り込む練習
  • “I see your point, but…” で軽く反対する練習
  • 実際の会議で「1回は自分から発言する」を必須タスクにする

半年目には、質問に3秒以内で反応し、簡単な意見を返し、1回は自分から割り込めるようになりました。流暢とは程遠いですが、「置物」ではなくなりました。

半年後どうなったか

同じメンバーとの会議で、質問に3秒以内に反応して、簡単な意見を返して、1回は自分から割り込んで確認できるようになりました。流暢とは程遠いです。でも「置物」ではなくなった。

TOEICのスコアは、無駄ではありませんでした。土台の語彙と文法があったから、半年で立て直せたとも言えます。ただ、スコアと会話力は別のトレーニングが必要、というのはもっと早く知りたかったです。

外資に入ってからの立ち上がりでもっと苦労した話は「外資系に転職して最初の90日、英語ができなくて詰みかけた僕の生き残り方」に、時系列で書いています。

よくある質問

Q. TOEIC何点あれば英語会議で話せますか?

点数と「話せる」は連動しません。議論を追うだけなら700〜800、短い発言までなら800前後が目安ですが、即興で話す力は別練習が必要です。900あっても割り込みや反論は練習しないとできません。

Q. スピーキング練習は独学とオンライン英会話どちらがいいですか?

両方です。毎日の反応速度づくりはAI英会話で量をこなし、割り込み・反論など「人間相手でしかできない練習」は週1〜2でオンライン英会話を使う、という分担が効率的です。

Q. TOEIC L&Rの勉強はやめるべきですか?

やめる必要はありません。語彙・文法・読解の土台は会話の立て直しを速くします。ただし、L&Rの勉強「だけ」で会話ができるようになると期待しないことです。

Q. 会議の聞き取りが特にきついです。

知らない単語より「音の変化」で詰まっていることが多いです。会議を録音して聞き取れなかった箇所を書き起こすと、原因が特定できます。詳しくは音の変化の記事を参照してください。

今日から試すなら(どちらも無料体験あり)

毎日の反応速度づくり:AI英会話アプリ
質問に2秒以内で話し出す練習を1日10分。内容の質は問わず、沈黙を埋める音を出すことから始めてください。

英語を話す力を伸ばしたい方に最適なAI英会話アプリ【スピーク】

週2の実戦:オンライン英会話
講師に「早口で一方的に話して」と頼んで、割り込む練習をしてもらってください。ここは一人では練習できません。

ネイティブキャンプ

型のストック:ビジネス英語フレーズ本
会議で使う「意見・質問・保留」のテンプレを増やしておくと、固まる場面が減ります。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次