前職は日系メーカーで、英語はメールを読む程度。それでも「英語は入ってから伸ばせばいい」と言われて外資系に転職しました。TOEICは780。面接も半分は日本語だったので、なんとかなると思っていました。
なんとかなりませんでした。少なくとも最初の90日は、毎日「これは詰んだかもしれない」と思いながら出社していました。
この記事は、当時の自分が読みたかった記録です。「外資系 英語 できない 入社」で検索してここに来た人が、同じ90日を少しでも楽に乗り切れるように、何がきつくて、何が効いたかを時系列で書きます。
この記事の要点(先に結論)
- 入社直後に英語ができないのは、想像以上に許容される。許容されないのは「隠して黙り込む」こと
- 最初の2週間は会議の理解度が1割。ここは録画・トランスクリプトで7割まで戻せる
- 15〜45日目は「読み書きは追いつくが話せない」期。ここでビジネス特化の英会話練習が効く
- 46〜90日目で「完璧な英語」を捨てて「結論から言う英語」に振り切ると、評価が戻る
- 入社前(内定〜初出社)に準備を始めておくと、90日がまったく違う
英語ができない状態で外資に転職するのはアリか
先に、これから転職する人向けの判断材料を書いておきます。
アリなケース
- 読み書きは辞書があればなんとかなる(TOEIC 700前後〜)
- 職種の専門性で採用されていて、英語は「業務で使うツール」の位置づけ
- 入社後3ヶ月、英語のキャッチアップに時間を割ける状況にある
きついケース
- 会議のファシリテーションや交渉が初日から求められるポジション
- 専門性でもカバーできず、英語だけで評価される役割
- 準備期間ゼロで飛び込む(内定から入社まで何もしない)
僕は「アリなケース」寄りでしたが、それでも準備不足でかなり苦しみました。専門性がある人ほど「英語はなんとかなる」と油断しがちなので、そこだけ注意です。
入社前にやっておくべきだったこと(内定〜入社まで)
いちばん後悔しているのがここです。内定が出てから初出社まで、僕はほぼ何もしませんでした。実際にやるべきだったのは次の3つです。
- ビジネス特化の英会話を週2〜3で始める。 日常英会話ではなく、「進捗報告」「反対意見の伝え方」「会議での割り込み」に絞る。日常会話をいくらやっても、この3つは別スキルです。
- 想定シーンの英語を10本、口に入れる。 自己紹介、担当説明、1on1での相談、Slackでの質問、会議での保留。テンプレでいいので声に出して覚える。
- 入社先の業界英語をリスニングで浴びる。 その業界のポッドキャストや決算説明を通勤中に流す。単語より「話すスピードと訛り」に慣れておく。
内定者の時点で動けば、初日の会議の理解度が1割ではなく3〜4割からスタートできます。ここの差は90日全体に効いてきます。
なお、そもそも「英語を使う求人をどこで探すか」はエージェント選びで9割決まります。外資・英語求人に強いエージェントは日系メインのところと持っている案件がまったく違うので、複数登録して比較するのが前提です。選考の英語面接で実際に聞かれた質問は「外資の英語面接で実際に聞かれた質問と、準備してよかったこと」にまとめました。
Day 1〜14:会議の90%が分からない
初日から洗礼を受けました。チームの定例会議、全編英語、40分。内容の理解度は体感で1割でした。誰が何に困っていて、自分は何をすればいいのか、まったく掴めない。
ここでやって効いたこと:
- 会議は録画をお願いする。 多くの外資はTeamsやZoomの録画・文字起こしが標準です。「新入りなので復習に使わせてください」と言えば、まず断られません。会議後にトランスクリプトを読み直すと、リアルタイムでは1割だった理解が7割まで上がります。
- 「議事メモ係」に立候補する。 一番英語ができない人間が議事録を取るのは無謀に聞こえますが、逆でした。メモを取るために集中して聞くし、分からなかった箇所は「ここ、こういう理解で合ってますか?」と後で堂々と確認できる。しかも早めにチームに貢献できる。
- 1on1で正直に言う。 マネージャーとの初回1on1で「会議のスピードにまだついていけていない。3ヶ月で追いつくので、それまで重要な決定事項はチャットでも共有してほしい」と伝えました。言いにくかったけど、言わないほうが後で問題になります。
Day 15〜45:読み書きは追いついてきた、でも話せない
トランスクリプト復習のおかげで、書かれた英語への耐性はかなり上がりました。SlackやメールでのやりとりはDeepLとChatGPTを併用すればなんとか回る。
問題は、会議とちょっとした立ち話でした。相手が「昨日のあれどうなった?」と英語で聞いてきたときに、日本語なら一瞬で返せる内容が出てこない。「英語ができない人」だと思われるのが怖くて、余計に黙るという悪循環。
ここで効いたこと:
- 朝の30分、その日の会議の「予習」をする。 アジェンダを見て、自分が話す可能性がある項目について、言うことを英語で3文だけ準備してメモに書いておく。原稿の棒読みでもいいから「発言した実績」を毎日作る。
- ビジネス特化のオンライン英会話を週3で入れた。 日常英会話ではなく、「進捗報告」「反対意見の伝え方」「会議での割り込み」に絞ったレッスンを組んでもらいました。入社前にこれをやっておけば、と本気で後悔しました。
- 定型フレーズを10個、完全に体に入れる。 “Let me get back to you on that.” “Just to double-check my understanding…” “I see your point, but I’d push back a little here.” 考えずに口から出るようになると、沈黙が激減します。
Day 46〜90:やっと「置物」を卒業する
3ヶ月目に入ると、会議の理解度は8割、簡単な発言と質問はできるようになりました。相変わらず雑談は苦手でしたが、仕事の会話は回るようになった。
この時期に意識したのは、「完璧な英語」を捨てて「伝わる英語」に振り切ること。文法が多少おかしくても、結論から言って、具体例を1つ足す。それだけで「この人は仕事ができる」と評価は戻ってきます。むしろ日本人的に前置きが長いほうが、外資では減点でした。
90日の英語タスク チェックリスト
自分の記録を、そのまま使えるチェックリストにしておきます。
〜Day 14
- ☐ 定例会議の録画・トランスクリプト取得を依頼した
- ☐ 議事メモ係に立候補した(or 自主的にメモを共有した)
- ☐ マネージャーとの1on1で英語の現状と3ヶ月の見通しを共有した
Day 15〜45
- ☐ 毎朝、当日の会議で話す内容を英語3文で準備している
- ☐ ビジネス特化のオンライン英会話を週2〜3で回している
- ☐ 定型フレーズ10個を暗記した(保留・確認・反論)
Day 46〜90
- ☐ 会議で毎回1回は自分から発言している
- ☐ 「結論→具体例1つ」の順で話す癖がついた
- ☐ 反論・割り込みを1回は実行した
90日を終えて思うこと
- 英語ができないことは、入社直後なら想像以上に許容される。 許容されないのは、それを隠して黙り込むこと。早めに開示して、対策とセットで見せれば、周りは待ってくれます。
- 一番リターンが大きかったのは「会議の録画復習」。 これはお金もかからず、理解度が数倍になりました。
- 入社前にやるべきだったのは、ビジネス特化の英会話練習。 日常英会話をいくらやっても、進捗報告と反対意見の英語は別スキルです。ここは分けて準備すべきでした。
会議で発言できない問題の具体的な対策は「英語の会議で「発言できない」を抜け出した、7つの割り込みフレーズ」、英語メールで角を立てない書き方は「外資で5年使ってきた、英語ビジネスメールの「クッション表現」まとめ」にまとめています。TOEIC高得点でも話せない理由については「TOEIC 820点なのに、英語会議で一言も話せなかった話」もどうぞ。
よくある質問
Q. TOEIC何点あれば外資でやっていけますか?
職種によりますが、読み書き中心のポジションなら700前後でも「準備すれば」乗り切れます。ただし点数より「会議で発言する」「反対意見を言う」の練習量が効きます。点数はあくまで足切りの目安です。
Q. 入社までにやるべき英語準備は?
ビジネス特化の英会話を週2〜3で始めること、想定シーン(自己紹介・担当説明・1on1・会議での保留)の英語を10本口に入れること、入社先の業界英語をリスニングで浴びること。この3つです。日常英会話だけでは足りません。
Q. 英語ができないまま外資に転職して大丈夫ですか?
専門性で採用されていて、入社後3ヶ月キャッチアップに時間を割けるなら現実的です。初日から交渉やファシリテーションを求められる役割なら、準備なしはおすすめしません。
Q. 転職エージェントは何社くらい使うべきですか?
外資・英語求人は、扱うエージェントによって案件がまったく違います。日系メインの大手1社だけだと機会損失が大きいので、外資・グローバル案件に強いところを含め2〜3社は登録して比較するのが前提です。
今日から始めるなら
求人を探す:外資・英語求人に強い転職エージェント
まだ転職活動中なら、外資・グローバル案件に強いエージェントに複数登録して、案件の量と質を比較してください。日系メインの1社だけでは見える求人が偏ります。
入社に備える:ビジネス特化のオンライン英会話
内定が出たら、日常英会話ではなく「進捗報告・反対意見・割り込み」に絞ったレッスンを週2〜3で。無料体験があるので、転職活動と並行して1つ試しておくと、最初の90日がまったく違います。

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